第一生命館

第一生命館

竣 工: 1938(昭和13)年 発注者:第一生命保険 設計者:渡辺仁、松本與作(第一生命) 施工者:清水組 所在地:東京府東京市麹町区(現 千代田区) 備 考:東京都選定歴史的建造物【2004(平成16)年3月30日選定】

第一生命保険は日本初の相互会社として1902(明治35)年に創立され、発展を続けた。本建築は社長 矢野恒太による、将来保険契約高が10倍以上に達することを想定するなどの方針のもと、総てに最善を尽くされた不朽の近代建築である。 渡辺仁と松本與作(辰野葛西事務所で第一相互館を担当した後、第一生命に入社)による設計は、企業精神としての公益性を表現しつつ機能性を追求するものであった。強固な構造躯体や、潜函工法による地下構築をはじめとする建築施工技術が空前のスケールで投入された。時を経て1995(平成7)年には隣接の農林中央金庫ビルと共に「DNタワー21(第一・農中ビル)」として保存・再生され、現在は「第一生命日比谷ファースト」と名を変えて進化を遂げながらも、深い陰影を日比谷濠に映し、歴史と精神を継承し続けている。